解雇通知を受けた妊娠6ヶ月、どうやって転職活動したのか正直に話します。
なぜエージェントを使わなかったのか
実際に私はエージェントに断られた経験はありません。
なぜなら最初からエージェントを使わなかったからです。でも人材業界に10年いた私には、その理由がわかっていました。
転職エージェントのビジネスモデルは「入社が決まって初めて報酬が発生する」仕組みです。
つまり入社が決定してその人が入社当日、会社に出社するまでの活動はすべてタダ働きになります。
妊娠中の転職活動となると問題はさらに複雑です。
産休育休を取る場合、内定が出たとしても入社は数ヶ月先になります。それだけでなく、妊娠中は不測の事態が起きる可能性もゼロではありません。万が一子どもが要介護状態になれば入社自体が白紙になることもある。
エージェントの立場から見れば、時間とコストをかけて動いても入社に至らないリスクが高い候補者ということになります。だから妊娠中の転職活動はエージェントに歓迎されにくいのが現実です。
これは妊婦を差別しているというより、ビジネスの構造上の問題です。
知っておくだけで「なぜ連絡が来なくなったのか」という不必要な傷つきを避けられます。
私には時間がなかった。なのでエージェントは最初から利用しませんでした。
リファラルで動いた話
では、どのように転職活動を行ったのか。
答えは一つ、「リファラル」です。
リファラル採用とは在籍している社員に、自身の信頼できる友人や知人を紹介してもらい、選考を行う採用手法です。昔でいう「縁故採用」に近いイメージです。
リファラルのメ最大のメリットは、その人の信用で転職活動できるということ。
企業側からすれば企業理念や文化を理解している社員からの紹介のためミスマッチが起きにくい。紹介する側も、変な人を紹介すれば自分の信用に関わるので真剣です。
結果として、選考通過率が通常の応募より圧倒的に高いのがリファラル採用の特徴です。
妊娠中で時間制約がある私にとって、選考通過率の高さは死活問題でした。だからリファラル一択だったのです。
妊娠中の転職活動のリアル
窮地の立場に立った時、実際に頼ったのは2人だけでした。
1人目は元同期の男性。入社当初は色々あったムカつくやつでもあり、気づけば戦友になっていた人物です(詳しくはnoteに書いています)。
その同僚のツテで、エージェントを紹介してもらい、客観的なアドバイスをもらいました。
結論は「妊娠中の転職は難しい。産まれてひと段落したら失業保険をもらう方がいいのでは」というものでした。
2人目は、リファラルで入社することになった会社にすでに転職していた元同僚。実はこの人物、現在の会社の社長だったりします。
プロに「難しい」と言われても、私は動きました。
リファラル先の会社には「貴社1社しか受けていない」と伝え、妊娠中であることは元同僚づてに事前に話してもらいました。
実はその会社からは以前にもスカウトを受けていました。でもその時は断りました。「スタートアップで実力を試したい」という理由で。
リファラル先は外資系の保険会社です。
スタートアップで疲れ果てていた私は、次は個人事業主的な働き方をしようと思っていました。
保険営業は営業職の中でも特に数字が全ての世界で、1000万・3000万という年収を手にしている人もいる。自分次第でスケジュールが組める働き方にも魅力を感じていました。
もしその会社に落ちたら、改めて転職活動をしようと思っていました。でも落ちなかった。
選考は所長面接→役員面接の2段階でした。面接官はみなお腹の大きい私を見て驚いていました。
でも過去の経歴が助けてくれました。新卒同期80人中売上NO.1、マネジメント経験、10年の営業キャリア。妊娠中という状況を上回る実績がそこにはありました。
2人目の妊娠だったこともあり、1人目の出産経験を交えながら産後の具体的なスケジュールを伝えました。「いつから復帰できるか」を明確に示したことで、企業側の不安を払拭できたと思っています。
面接では3人目の予定についても聞かれました。すぐ辞められたら困る、という企業側の本音は当然です。その際には「もう考えていません、早く働きたいという気持ちが強いです」と伝えました。
選考自体は長かったです。動き始めたのが5月、正式な内定が11月、入社が翌年2月。実に9ヶ月かかりました。ただ途中から内々定のような形で「安心してね」という言葉をもらっていたので、精神的には早い段階で落ち着いていました。
9月に第二子が生まれ、産後5ヶ月弱で仕事を始めたことになります。
振り返ると怒涛の9ヶ月でした。でも動いていなければこの結果はなかった。「難しい」と言われても動いて良かったと思っています。
妊娠中でも、動いていい
今回の転職を振り返って、伝えたいことが3つあります。
一つ目。どの会社でも、まず実績を出すこと。
妊娠中という不利な状況を覆してくれたのは、過去に積み上げてきた実績でした。
日々の仕事を手を抜かずにやっていたことが、まさかこんな形で助けてくれるとは思っていませんでした。
二つ目。同僚・先輩・後輩、とにかく仲間を大切にすること。
今回の転職はリファラル、つまり人の繋がりだけで実現しました。人間関係は何にも代え難い資産です。
三つ目。自分の思うままに動くこと。プロに「難しい」と言われても、私は動きました。妊娠中でも、コロナ禍でも、解雇されたその日でも。動いた人にしか見えない景色があります。
妊娠中の転職は確かに難しい。でも不可能ではありません。
この話が、同じ状況で悩んでいる誰かの背中を少し押せたなら嬉しいです。
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